#無人化すべきである ~ゲームを「全自動」で展示するためのまとめ
インディ・同人ゲーム界隈も、最近はCOVID-19のせいですっかり展示会イベントが減ってしまいました。
2020年は秋のデジゲー博だけが唯一の実会場イベントという状態でしたが、2021年になってからは行政やイベント会場からイベント開催のガイドラインが出されるようになり、その範囲内でイベントをやる、という方向に進むようになってきました。(それもデルタ株の流行でまた吹き飛びそうなわけですが……)
で、久しぶりにイベントがあるとこんな事案が発生するのです。
リモートでゲームを展示するときは…一定時間放置されてるとタイトルに戻す処理が必要なことがわかった…(Bitsummitの現地の様子を見ながら)
— おかず (@pafuhana1213) 2021年9月2日
実は2018年のBitsummitの時期にPlatineDispositifの紫雨さんがこんな記事をあげておられました。
murasame.hatenablog.jp
……歴史は繰り返すんだな、って。
ということでここ数日で再燃した「展示あるある」とその対策をツイートなどからまとめてみます。
現地の様子
Bitsummitの一日目、おつかれさまでした!リモート参加なので現地の様子は分からないのですが、こんな感じでブースが設営されているようです!嬉しい!#BitSummit #双腕のソルダート pic.twitter.com/1KfDGM1GNR
— ぼっち猫🐾双腕のソルダート 開発中 (@BocchiNeko_UE) 2021年9月2日
今年のBitsummitはみやこめっせに会場こそありましたが、一般客はすべてストリーミングイベントの視聴やSteamでの体験版プレイなどで楽しんで貰う形として入場は不可、実会場はメディアとビジネス関係者限定ということになりました。さらに開催前に緊急事態宣言が発令されたことで、さらなる人数制限がかかったようで、ビジネスチケットの発売が早期にクローズされていました。
で、展示者もまた実会場とリモート参加の二択となっており、リモート参加の場合、事前にソフトを運営に送って現地ボランティアがセットアップし、当日もボランティアがアテンドを行っていたようです。ただ、つきっきりという感じではなく割と放置状態のマシンも多かったようです。
ということで放置対策をしていないと大変辛い展示になっていたわけですが……。
放置したらPV流れるようにはしてたのですが…ぐはー!
— おかず (@pafuhana1213) 2021年9月2日
……対策をしてみてもそれを上回る放置をされてしまうのでありました。
放置の傾向と対策
もっとも困るのは「ゲーム途中での放置」です。ほったらかしにされると次のプレイヤーはチュートリアルも何も無い状態で続きをするしかなくなり、ゲームへの印象が猛烈に弱まります。そのため前のプレイヤーが諦めた場合はさっさとタイトルに戻っていてほしいのですが……
ソフトリセットも用意されてなくてアテンドの人がゲームオーバーまでプレイしてるとこもたまに見かける光景…。
— あんころむらさめ (@_murasame) 2021年9月2日
ソフトリセット操作組み込んでメインループで無操作時間の検出→ソフトリセット発動の仕組みは展示時には必ず入れたいところ。 https://t.co/vphMMStMVc
展示を前提にせず作業してると意外とソフトリセット機能とか実装しなかったり、後回しにしてたりするんですよね……。
どのみちゲーム中断とかポーズとかはあった方が良い機能なのと、中断もポーズも後にすればするほど書くべき後始末コードが増える傾向があるので、早い内に仕込んでおくのが良いと思います。
で、展示特有の機能として紫雨さんが挙げている「無操作検知でソフトリセット」も展示無人化にあっては非常に大事です。
単に30秒くらい入力なしの時間を検知したらソフトリセットしてタイトルに戻せばいいだけ、ではありますが、「イベントシーンの文字送りでの放置が検知できてなかった」「ステージクリア後の放置が略」的な事案がよくあるので、デモ系も放置して大丈夫なように仕込みましょう。無入力でもイベントがちゃんと進んで終わるのが理想。
- ゲーム途中での放置への対策:パッド操作を常に監視しておき、一切の入力がない状態が30秒ぐらい続いたらソフトリセットをかけてタイトルに戻す
常にお客さんが並ぶほど盛況ならいいんですが、今回みたいに人がまばらだとタイトルで放置されるパターンは日常茶飯事となります。
タイトルで放置されてると動いてる状態の絵を見せらないわけで、はじめから遊ぶ気満々の人はともかく、ちょっとぶらぶらと流し見しているようなお客さんには見逃されてしまうかもしれません。
そこで入力を記録してリプレイ……なんてのは地獄しかないのでここは動画・PVを仕込むのがよいでしょう。タイトルで放置したときにPV再生するぐらいならローコストに実装できるかと思いますが、全画面でPV流してるだけだとPVだけの展示と勘違いされて遊ばれない罠もありうるので、ちゃんとゲームプレイ可能な旨の表示をするのが良いと思います。その点双腕のソルダートはタイトル画面の一部にPVを表示しっぱなしにするようになっていて良い作りでした。
- タイトルで放置されているときの対策:PVを用意して流せるようにする。ただし、プレイアブル台であることも主張しないと誤解される。
その他、無人化のために必要なこと
後は正直紫雨さんのまとめがシッカリしてるのでみんな読んでって感じなのですがこっちでも書くと、
- 口頭説明をせずに済むようにチュートリアルをしっかり作る。ゲーム内ヒントも多めに。アテンドしてると間違いなく喉が1日でお亡くなりになります。このご時世だと飛沫飛ばす量も減らしたいですね。
- プレイ時間を短くする・ゲーム側で管理する。イベント開催時間5時間で、1プレイ15分だと20人しか遊べません。やはり1プレイ5~10分で。できればゲーム内通しての時間制限をつけて、時間が来たら即THANK YOU FOR PLAYINGにするぐらいの仕込みがあってもいいかも。アテンドが常駐するならキッチンタイマーがあればいいんですが。
- (多言語対応の場合)言語選択をデモの冒頭に仕込む 外国の参加者さんに対応するのが楽になります。
是非デベロッパー諸氏にはこの辺を覚えていただいて、イベントで喉枯らしたり脚ガクガクになったりせず、健康にイベントを終えられるようにして欲しいと思います。